妖峰戦記-宝永の乱-【第五章】

 

鴉天狗が越後に亡命した矢先――越後大名が急死した。それから間もなくして越後国は後継者を巡り内乱状態となる。幕府軍を退けるほどの武力を持つ鴉天狗が、この争いに巻き込まれないはずがなかった。彼らの運命やいかに――

そして羽貫衆の一員となった影狼もまた、妖派との直接対決に向けて動き出す。

歴史ロマンと異能バトルの和風ダークファンタジー

第二部へと繋がる波乱の第五章!

第56話:風流の術士

「なっ……!?」 驚きの声を上げたのは、笹暮だった。 それからすぐに、広間全体が蜂の巣をつついたような騒ぎになる。「言われてみれば確かに……あの茶色い髪は九鬼の特徴だ」「九鬼だと!? なぜ鴉天狗にそんな者が?」 ただ驚いているだけならばいい…

第57話:海猫の秘密

 羽貫衆の屋敷に帰ってきた次の日、影狼はぐっすりと昼過ぎまで寝ていた。 目が覚めた後もなかなか起き上がれず、頭から布団をかぶってゴロゴロしていた。 ひどく重圧を感じる会合だった。あれを一言で表すならば、魔窟だ。隙を突こうと目を光らせる狡猾な…