創作とゲーム

(カクヨム近況ノートより)

ここ一ヶ月くらいの間、ゲーム中毒で執筆が滞っていました(なにやってんだか……)。
五年近くも細々と続けていたゲームがサービス終了して、その穴埋めにと始めたものでした。
ローマをテーマにしたシミュレーションゲームで、パルテミラのモデルになった国も出てきます(昔っからゲームをやり出すと止まらないので、時間が掛かるもの、ハマり過ぎるものは避けてきましたが、こういった自分の作品と関連性のあるものは許容しています)。
先月からアプリ制限の機能で抑え込もうとしたのですが、制限を破って続けてしまう有様で、昨日完全クリアが叶い、ようやく衝動がなくなったところです(他のモードもありますが、おまけみたいなものなのでゆっくり遊べるはず)。

新作開始で勢いに乗っていた時期でのこれは、なかなかの大惨事だと思います。
でもこれまでを振り返れば、ゲームはそれ以上の恩恵を、私の創作活動にもたらしています。
『宝永の乱』は、高校生時代に熱中した和風ダークファンタジーゲームの影響を、『ナルト』に負けないぐらい受けていますし、
去年までの一年間ハマっていた放置系RPGは、パルテミラの世界観構築に一役買っています。ベテルギウスの語り口も、ゲーム内チャットでジョークを言っているうちに醸成されたものだと思います。さらに去年、友達に誘われて始めたゲームは、ジェロブとエミールのキャラデザの元になっていたり……

とは言え、執筆に集中できなくては本末転倒ですね。
もっといいやり方はあるかもしれませんが、中毒に陥ってしまった時、私は納得が行くまでやることで衝動を抑えるようにしています(あるいは、やるメリットがないと言い聞かせてアプリを消す)。モヤモヤしながら小説を書いても、やっつけ仕事になってしまいそうなので。
今回、無事にこの段階まで持って行くことができました。
これからは本腰入れて書いて行きたいです。
ちょうど先月、仕事を一つ辞めたので、これからはその時間に絵を描いて、他で小説を書くスタイルでやっていこうと思います。

あ、でも今月中旬までは本業が繁忙期だ(今の仕事は楽しいからいいんだけど)。

 

文脈を作らない書き方/新作公開のお知らせ

御無沙汰です!
現在、新作の第五章(一章=一話で書いています)が終盤に差し掛かったところですが、書き始めてから一ヶ月くらい掛かってしまっています。計画的二度寝作戦(早く寝て、深夜に起きて、目標分まで書いて寝る!笑)でなんとか詰まっていた場面を切り抜けました。

遅筆を改善するために、最近は主に生活習慣を見直しているところですが、書き方についてもまた少し思うところがあったので、今日はそれを書きます。

【文脈を作らない書き方】
文章を書いていて、いざ読み返してみると「なんか違うな」と思うことがあります。
文法がおかしいわけでもない。単調なわけでもない。延々と悩んで書いては消して、それが原因で書くのが嫌になってしまうことが、結構多いように感じます(違和感があってもとにかく書き進めるやり方がよく推奨されていますが、私の場合は全部書き直す羽目になりそうで……笑)。
そこで思いついた対処法が、地の文に「文脈を作らない」ことです。
私の場合、書きたいことを無理に詰め込もうとするので、文脈に歪みが生じるのだと思います。
ならば最初から文脈がなければいいじゃないか、というわけです。
「文脈を作らない」なんて、そんなことできるのかと思われるでしょうが……例えば漫画なんかは文脈がなくても成立しています。つまり、漫画で表現できること――情景描写に絞って書くということです。

実はこれ、以前二回にわたって話した「情緒的な文章」なんじゃないかと思います。
情緒的な文章は理路整然としているわけではないけれど、余計なことに頭を使わなくていい分、心地良く感じる――なんてことを書きましたね。
文脈を生まない、絵的に表現できる文章は「ふ~ん」で流せますが、
そうでない――思考や知識が絡んだ文章が出てくると、読者はそれが出てきた意味を考えます。なのに意味を持たせないままにしてしまうと、もやもやが残り、違和感となるでしょう。作者としてはその一文を書きたかっただけで、これといった意味はないのですが笑
どうしても書きたければ、会話文にさりげなく入れたり、地の文に入れるならちゃんと話の中での意味を持たせるか、ただの豆知識だよと分かる形にする必要があるかと思います。

「文脈を作らない」書き方は、文章の美醜を問わなければすらすら書けてしまいます。
特に新作の場合は一人称なので、多少は雑に書けます。むしろそれが主人公の魅力を引き立たせることも。
もちろん文脈を作るところは作ります。書き出しなんかは特に、状況説明や豆知識から入ると読者も物語に入りやすいと思います。作者からすれば、書き出しは書き損ねた豆知識を書くチャンスでもあるかと(前後の繋がりをほぼ無視できるから)。要はバランスですね。

ということで、詰まった時は「文脈を作らない」書き方を意識してみようかと思います。
なんだか一人称を書くようになってから、いわゆる「情緒的な文章」を書く頻度がかなり多くなった気がします。『宝永の乱』に戻った時、どうなるんだろうか。

【新作公開のお知らせ】
個人ブログ『幻想歴史資料館~ナマオの館~』にて、プロローグまでを公開しました(と言っても、プロローグはすでに近況ノートで公開してますがね笑)。
本当なら第六章まで書き上げてから公開する予定でしたが、これ以上遅らせるわけにもいかないので、とりあえず。
まあ二月中に第六章が書き上がれば、予定通りと言えなくもない。

パルテミラ~麗しの女帝国~【予告編(プロローグ)】

 *著者――ポカフォフ(プロセイン王国)

 プリニウス暦一一九七年。蒙句麗帝国が、アルケサス朝の首都テシオンに侵攻した。
 当時世界の四分の一を支配していた超大国が、史上最大規模の兵力で行った攻囲戦である。テシオンは二週間足らずで陥落し、なだれ込んだ蒙句麗兵により、市街は破壊と殺戮の嵐にさらされた。百万とも言われた市民は死に絶え、神殿、礼拝堂、学校、図書館……先祖代々受け継がれてきたあらゆる建造物、文化財が灰燼と化した――

 かつてこの地には偉大な帝国があった。
 パルテミラ帝国――大陸の東西を結ぶ絹の道に跨る砂漠の大国である。大陸各地からさまざまな交易品、文化がもたらされ、最盛期には大ローマ帝国に並ぶほどの栄華を誇ったという。
 帝都テシオンは世界で最も先進的な都市の一つであり、学術、芸術、信仰の中心地として栄えた。一定の年齢に達した市民は学校に通い、優れた成績を収めた者は、さらに宮廷図書館で学術や魔法の研究に励んだ。聖殿には少年達の美声が木霊し、劇場には連日のように定員を超える観客が押し寄せた。
 しかしやはり、パルテミラが歴史上の他のどの国とも決定的に違うのは、女性が絶大な力を持っていたという点であろう。帝位は代々女系で継承され、国政は主として女性が司り、軍事においても、主戦力は女の戦士であった。
 残念なことに、テシオンの貴重な史料が焼失した今となっては、パルテミラ史のほとんどは、各地に散在する僅かな史料と外国の記録からでしか、うかがい知ることができない。
 だがここにひとつ、興味深いものがある。
 大ローマ帝国のパルテミラ遠征に参加していた将軍――ベテルギウスが書き残した手記である。
 二五年のカルデアの戦いから、同年セルキヤの戦いまでの短い期間ではあるが、最盛期のパルテミラ帝国内部の様子が、この書には詳細に記されている。

 そして物語の始まりは、カルデアの戦い前夜から―― 

 

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『パルテミラ~麗しの女帝国~』
異国に恋した将軍が綴る物語――神秘と哀愁漂うオリエンタル・ファンタジー

2021年2月頃~ブログにて連載開始予定!

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どうも、ご無沙汰しております!
現在制作中の新作、いつチラ見せしようかと迷っておりましたが、今日はクリスマスということで、プロローグだけこちらに載せてみました。
本編はブログにて、遅くとも来年二月中には公開しようと考えています(いろいろ賞に応募したいので、カクヨムでの公開は当分控えておくつもりです)。

これまで大長編の『宝永の乱』一本でやっていましたが、このまま完結作品を持たないままではまずいと思い、第二部執筆開始までの休載期間を使って、本作を書くこととなりました。
執筆歴4年半目にして、初めての一人称です。
なんだかんだ言って、小説を書くきっかけとなった作品は一人称だったので、実は一人称の方が相性がいいのかもしれません。
ゲームをする時とかは、自作のキャラクターになりきって他のプレイヤーと交流することが多いので、それに近いノリで書いているような気がします。
相変わらず遅筆ですが、文章を書くのがこれほど楽しいと思ったことはありません。

さて、プロローグからも分かるように、本作はかなり変則的です。
最初から狙っていたわけではありませんが、結果的にいろんなことに挑戦しています。
冒頭からバッドエンドだったり、一人称なのにプロローグは三人称だったり、それから主人公が頭おかし……
執筆を始める直前まで、自分でもこんな作品になるとは思っていませんでした。『宝永の乱』と同じ世界線の物語ではありますが、それを読み続けて下さっている方でも、好みが分かれるかと思います。
しかしハマる人にはハマるはず。
長い付き合いなのに申し訳ないけど、正直私は『宝永の乱』より好きです。

どうぞご期待ください!
(ハードル上がったのか下がったのか分からぬ……笑)

ネット小説にプロローグは必要か

※カクヨムの近況ノートでの交流で書いたものに少し書き足した内容となっています。

 

だいぶ前のことですが、プロローグ不要論なるものを見たことがありました。「プロローグがある作品は駄作」とでも言わんばかりの強い論調だったような気がします。

私が見たのはかなり極端なものでしたが、やはりプロローグはない方がいいといった意見は、少なからずあるようです。理由としては、「内容がない」「本編との繋がりが薄いから読む必要がない」「せっかく物語に入り込んだと思ったら、第1話でまた新しいのが始まって……疲れる」などがあるようです。

そう言えば、『宝永の乱』をカクヨムに投稿したての頃は、なぜかプロローグがすっ飛ばされる現象が起きていました(PV数が第1話の方が全然多いという……)。

『宝永の乱』はプロローグを読まないと内容が分からない構成にしているので、プロローグはほぼ必須だったんですよね。それをすっ飛ばしていきなり第1話を読んで、「なにこれ分からない」と離脱されてはたまったものじゃないです。今は第1章の方に移した効果があったのか、ちゃんと第1話より多く読まれるようになりましたが。

 

私は「プロローグは必要」派です。

無理に入れなくてもいいんですけどね。必要だと思えば入れればいいんです。

そもそも、「内容がない」「本編との繋がりが薄いから読む必要がない」だのって、そんなのは作品によるじゃないですか。そんなしょうもない先入観でプロローグをすっ飛ばすのは、読者にとってもなに一ついいことはないと思います。

プロローグには、その作品の世界観を掴んで自分に合っているかを見定める大事な役割があると、個人的には思います。たいていは字数が少ないので、気軽に読めます。これが読者にとってのメリットです。

漫画でも、ファンタジーや歴史ジャンルの作品は、扉絵の前にプロローグ的なものが入ることが多いですよね。ページ数の都合で第1話に含まれてはいますが、内容的には区切ることもできるはずです。

作者にとってのプロローグを書くメリットは、迷っている人に「まあプロローグくらいなら読んでみよっか」と思わせられることではないでしょうか。

いきなり第1話だと、どこまで読めばその作品の世界観を掴めるのか検討がつかず、自分ならためらってしまいます。第1話で掴めればまだいいけど、第2話、第3話まで読まないと分からないものも……そして迷った末に読んでみて、合わないと感じた時には、まあまあな時間を消費しているわけです。内容的な区切りが悪いところで離脱したら、モヤッとしますよね。

対して、プロローグは1000字すら行かないものもチラホラ。プロローグだけ読んで「合わない」と離脱しても2分程度。内容の区切りも良いので、読後感はスッキリです。「ふ~ん、いいじゃん」と応援ボタンを押す余裕もあるでしょう。

 

プロがやってるから「なんとな〜く」入れるプロローグはともかく、

「世界観を手軽に掴んでもらう」などといった、目的を持って書かれたプロローグは、プラスになるのではないでしょうか。

『宝永の乱』のタイトルを少し変えてみました

一部の小説サイトで、『HOUFUN-宝永の乱-』を『妖峰戦記-宝永の乱-』に変えてみました。本館ではとりあえずそのままにしています。

もとの「HOUFUN」という文字は、宝永大噴火の時代をテーマとしたPCゲームのファイル名から取ったものでした。『宝永の乱』だけでは、ファンタジーというよりは時代小説という印象を持たれてしまうので、イメチェンのためにあえて「HOUFUN」を付けていました。(NARUTOが好きだったからそれにならったという面もあります)

大手の出版社から作品を出すのならば、これでも良かったのかもしれません。しかし小説投稿サイトに投稿する場合は、読者の目を引くタイトルとキャッチコピーでなければ埋もれてしまいます。

「HOUFUN」という文字だけでは作品の内容をイメージできないので、妖峰戦記に変更ということになりました。(今日の朝、シャワーをしている時にひらめきました笑)

時代小説ではなく和風ファンタジーであると強調する――という当初の目的を引き継ぎつつ、さらに妖峰をテーマにした戦記物――という情報を詰め込んだ形となっております。(語感と見た目はHOUFUNの方が好きなんですけどね……笑)

 

新作の方は順調(遅いけど)に進んでおります。

初めての一人称であるばかりか、いろいろと特殊な書き方を取り入れていて難しいですが、その分どんな仕上がりになるか楽しみです!

ああ、チラ見せしたい笑

長編作家の辛いこと/本ブログ開設の動機

本ブログ開設の動機を書いた、カクヨムの近況ノートの内容をここにも掲載しておきます。

 ~中略~

 本当の本当に心休まる瞬間って、今でもほとんどないような気がします。

 頭の中にいいアイデアがあるのに、じっとしてはいられないというか……長編作家の宿命というものですかね。

 短編はともかく、長編作品となると、何年もアイデアを温存しなければならないことが普通にあります。それで質が上がればいいのですが、アイデアは先に出した者勝ちということも忘れてはなりません。
 その時は画期的なアイデアだったとしても、数年先はどうなるか分かりません。他の作品に先を越されたら、そのアイデアの価値は下がり、最悪の場合パクリと言われる可能性だってあります。何年もかけて練り上げたアイデアが二番煎じになるリスクに、常に晒されるわけです。
 実際、今流行りの『鬼滅の刃』を知った時は、いろいろと設定が似ていて震えました。
 鬼殺隊と殲鬼隊……これは必然ですね笑
 アイデアはまったくのゼロから生まれるわけじゃないですから、特に歴史や伝説をモチーフにした作品の場合、名称や展開が重複してしまうことは余裕であります。なのでこれくらいは別に珍しいことではないと思いますが、読者がそんな考えに至るはずもなく、「ああ、鬼滅のパクリね」っと一蹴されてしまうんじゃないかと。
 気にしすぎですかね。
 和風ファンタジーのブーム自体は喜ばしいことでもあるのですが、悔しい気持ちの方が大きいです。このあとに『宝永の乱』が認められても、それは鬼滅のブームに乗ったものとみなされますから、価値は薄れてしまいます。
「鬼滅の影響で作ったの?」と言われても結構傷付くかもしれません。

 

 小説家に初心者がいきなり長編を書くと挫折すると言われる中で、『宝永の乱』だけを書き続けてきたのは、早く世に出さなければという焦りがあったからだと思います。それはそれで誇るべきことだとは思いますが、あまり追い詰め過ぎても、いい作品が書けなくなるかもしれません。
 解決策として今考えているのが、個人ブログでも作って、小説とは別の形で先の内容を公開してしまうことです(実はずっと前からそうしたい衝動に駆られていたんですけどね……)。そうしたらちょっとは気持ちが楽になるかな。あわよくば宣伝・収益にも繋げられるし。
 あと「四年以上も小説を書いてきて、書きかけの長編が一作しかない」という現実も、重く受け止めなければなりません。このまま『宝永の乱』だけを書き続けたら、きっと五年くらいはこの文言のままです笑
 というわけで、第二部開始前に中編作品を一つ仕上げます。
 まだ書き始められるほどにプロットが固まっていませんが、『宝永の乱』に負けないくらいのポテンシャルを感じています。そうでなければ先に書こうとはならなかったはず。
 とりあえずブログを作りながらですかね。

 ~完~

他にも動機はいろいろありましたが、そんな経緯があってブログ開設を決心しました。

先の内容を公開するというのは、本ブログの「史料室」でやるつもりでしたが、あとあと内容を修正する可能性があること、思い通りのページが作れなかった(wiki形式にするつもりでした)ことから中止としました。代わりにこれまでの制作過程を紹介しています。

まあでも、これで良かったんじゃないでしょうか。形になっていないアイデアを並べたところで、やっぱり気持ちは晴れないと思います。時間ももったいないですし。

とりあえず、夢のマイホームを手に入れたようで少し気持ちは楽になりました。作品の宣伝・ブログ収益だけの動機ではどうも続けられる自信がないので、自分が楽しむことを第一に――という方針でいいと思います。

第二章公開/新作について

『HOUFUN-宝永の乱-』第二章を先程公開しました。

エピソードの並び順が上手くいじれないので、章毎にまとめて投稿という形になります。

また、ブログ制作が一段落したので、Twitter等で予告していた新作を本格的に作り始めたいと思います。タイトルは図書室にある通り『パルテミラ~麗しの女帝国~』(変更の可能性あり)。オリエント世界を舞台にしたやや癖のある作品です。宝永の乱とはまた一味違った物語を楽しんでいただければと思います!

幻想歴史資料館 開館のお知らせ!

はじめまして、館長のナマオです!

本日を以って、幻想歴史資料館の開館とします!

まだまだコンテンツは少ないですが、よろしくお願いします!

2020年10月4日 館長ナマオ