【古代語魔法】
‐精霊の囁き
相手の心に直接語りかける魔法。精霊と語らうことでその力を借りる古代語魔法においては、最も基本となる魔法である。幼精と女精は生まれた時から体得している。極めれば詠唱せずに古代語魔法を発動することができる。動物との意思疎通も可能で、特に騎乗の難しい霊羊騎兵と雷光騎兵には必要不可欠。
‐音響魔法
音を増幅させる魔法。御前試合や雷光祭、テシオン劇場など、大勢の人が詰めかける催し物などでよく使われる。『精霊の囁き』から発展させて完成した。
‐導きの光
青白い光の玉を出現させる魔法。漂う光の一つ一つが精霊だと言われている。この魔法によってテシオンは夜も賑わう都となった。
‐英気の光
対象をオーロラのような光で包み込み、疲労を回復する。ジェロブが開発。体力消耗の激しい雷光騎兵に欠かせないものとなっている。
‐英気の泉
『英気の光』の上位互換。魔法の効果範囲が広く、ジェロブほどの熟練者であれば一度に五十騎は回復することができる。実戦では基本的にこちらが使われる。
‐天使の羽
術者に浮力を発生させることで体重を軽くする魔法。これがなければ人が霊羊や狩猟豹に騎乗することはできない。そのため、『精霊の囁き』とともに霊羊騎兵、雷光騎兵の必修魔法となっている。
‐蜃気楼
蜃気楼を生み出す魔法。御前試合、雷光祭、劇場では、観客が見たいものを上空に大きく映し出していた。『音響魔法』や『導きの光』と並んで、テシオン市民の生活――特に娯楽には欠かせないものとなっている。
‐霊験の鎧
対象に青白い光の膜を纏わせて守る魔法。大きな衝撃を受けると消失するが、実はどんな強い衝撃でも一発目は耐えられる優れもの。多少の刀傷はものともしない。これがあれば、実戦に近い戦闘訓練も安全に行える。
‐時の深淵
ティリオンが扱う時を操る魔法。自分から見た時の流れを遅くすることで、相対的に素早く行動できる。非常に強力だが持続時間は短く、高等魔法であるがゆえに複雑で長々しい詠唱を必要とする。効果が切れた時の反動も弱点になり得る。発動中は声も高くなる。
‐風雲神
ゼノビアが扱う風を操る魔法。『天使の羽』で体を軽くしてから、風の力で高速移動する。また、矢に風を纏わせて威力を高めることもできる。
‐精霊の揺籠
モーリヤの丘で、親しい者が三人集まって精霊に祈りを捧げることで、三人のうちのいずれかが幼精か女精の子を受胎する。女か女精が一人いれば、他の二人は性別を問わない。生まれる子は三人分の遺伝子を持つことになるが、その姿はモーリヤの精霊に似るという。
古代語魔法に分類されるが、詠唱により随意で使用できる他の魔法と異なり、精霊の気まぐれで発動される受け身の魔法である。裏を返せば、人間もモーリヤの丘で精霊と心を通わせれば、その恩恵に与ることができる。
【歌による古代語魔法】
‐護国の聖歌
決戦の前に歌われる聖歌。聞いた者は精霊の加護を受けやすくなり、古代語魔法の効力を高めることができる。力強い曲調で、士気を高揚させる効果もある。歌詞は精霊に向けて加護を求める歌い手視点。
‐安息の地へ
『護国の聖歌』と対になる聖歌。帰路で歌われる。心身の疲れを癒す効果がある。ベテルギウス曰く、「魂が、あるべき場所に還ろうとしている」ような気分になる歌。歌詞は死者の魂と生者を導く精霊視点。
‐除魔の子守唄
聖歌隊の円陣の中に入った者はたちまち眠りに落ちてしまう。精霊の加護を受けた者であれば眠りに落ちない。元々は、男児を攫うと信じられた女悪魔――リリスを追い払うために、古くから歌われていた子守唄。
【気功術】
‐龍の息吹
ヴェルダアースが使用。気功の修行で体得した呼吸法により、身体能力を飛躍的に高めることができる。体力の消耗が激しいが、相手の強さや状況に応じて呼吸の深さを変えれば、消耗を抑えられる。非常にバランスの取れた気功術。
【武術】
‐天昇竜
ヴェルダアースの剣技。龍が天に昇るような、突き上げるような一撃。ベテルギウス命名。
‐牙龍乱嵐
ヴェルダアースの剣技。敵の懐に捻じ込ませるような突きから、高速の連撃へと繋げる。狂った蛇のように躍る剣を防ぎ切ることは困難だ。ベテルギウス命名。
‐三頭龍/双龍咬殺/竜舌乱舞
詳細不明のヴェルダアースの剣技。ベテルギウス命名。
‐勇退離脱
打撃を受ける直前に身を引くことで衝撃を緩和する防御技。訓練で防具も付けずに拳や木剣で殴り合うスパルタ戦士にとっては、基本中の基本らしい。ベテルギウス命名。
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