用語解説

【あ】
穢土えど
 地獄と同義。

【か】

 邪気と対になる霊的な力。邪気と同じく、術を生み出す素になると考えられている。
気功きこう
 気を自在に操る能力。修行により体得可能で、妖刀が自在に扱える他、身体能力を強化する効果もある。後者は気功術とも呼ばれる。

【さ】
邪気じゃき
 侵蝕の原因とされるもの。妖怪の亡骸や宝永山の火口から現世に溢れ出した。また、妖術の素になっているとも考えられており、術を使うと妖刀から一時的に邪気が抜け、時間が経てば元に戻ることが分かっている。
邪血じゃけつ
 侵蝕人と同義。妖派で使われている。侵蝕の原因が血だと考えられていたことの名残り。
侵蝕しんしょく
 邪気が生物の体に蓄積されていく現象のこと。山里では穢れとも呼ばれる。侵蝕が進むと人は理性を失っていき、やがて人に害をなすようになる。ただし、片桐の酒浸りなど、侵蝕が限度を超えても害が少ない場合もある。
人為侵蝕じんいしんしょく
 妖派が妖の力を戦争に利用すべく生み出した、人為的に侵蝕を施す方法。特定の妖怪の邪気のみを体内に取り込むため、自然な侵蝕と比べてはるかに妖怪の能力が発現しやすい。主な方法として、全身侵蝕と部分侵蝕が知られる。全身侵蝕は妖怪の血肉を喰らうことで、全身を妖怪に近付ける方法。部分侵蝕は注射などにより、体の一部にのみ侵蝕を施す方法。部分侵蝕の方が、全体で見れば低い侵蝕度で能力を獲得できるため、安全性が高い。初期の奇兵はほとんどがこれである。一方、全身侵蝕は侵蝕度の調整が難しい代わりに、より強力な能力が得られる。
侵蝕人しんしょくじん
 侵蝕が進行している人のこと。最初は妖怪と接する機会の多かった殲鬼隊内で多く確認された。明確な基準はなく、当時はその者の振る舞いから判断するしかなかった。そのため、政敵を侵蝕人に仕立て上げて殺すといったことも横行した。目の色で侵蝕度が測れる月光は、ある程度の基準を設けているようで、侵蝕人の中でも特に侵蝕が進んでいる者を間引いていた。

【た】
大名だいみょう
 一国を治める領主のこと。幕府直轄領を治める者は国主と呼ばれる。

【は】
幕府直轄領ばくふちょっかつりょう
 幕府が直接支配する領地。確認できているのは、幕府本拠地の武蔵国と、宝永大噴火で壊滅的被害を被った駿河国のみ。幕府が滅亡した今となっては、もはや意味をなさない。
宝永山ほうえいさん
 日ノ本一の標高を誇る山。大噴火により日ノ本の侵蝕を引き起こした妖峰。その上空には黒い雲が渦巻き、異様な空間を作り出している。現在も邪気が噴き出ているようで、妖怪も多く、容易に人が近付けなくなっている。甲斐国と駿河国に跨る。
宝永ほうえいらん
 宝永二十年の朝廷挙兵に始まる日ノ本の内乱。七年経った今も膠着状態にあり、一向に終わりが見えない。

【や】
妖術ようじゅつ
 妖怪が扱う超常現象を引き起こす術のこと。妖刀の使用(この場合は妖刀術とも呼ばれる)や人為侵蝕により、人も妖術を使うことが可能である。妖術とは邪気の放出であるため、術を使い過ぎて邪気を切らさないよう注意が必要だ。ただし、時間が経てば放出された邪気は戻ってくる。
妖刀ようとう
 妖怪の亡骸から作られた刀、または武具(侵蝕により妖の力を得たものも含む)。妖刀には素材となった妖怪の邪気が内蔵されており、その邪気を操ることで人も妖術を使えるようになる。術の発動に関わらず常時効果を発揮するものもある。妖刀を扱う上で重要なのは、感覚と心である。刀の素材となった妖怪がそうだったように、人も妖刀を自分の体の一部として感じられるようになれば、その力を最大限引き出せる。そして心は邪気と互いに影響し合うため、心が動けば邪気も動く。
妖力ようりょく
 邪気と同じ意味で使われることもある(妖刀が邪気を切らした時に、妖力切れなどと言う)が、正確には邪気を引き寄せる力のこと。妖力が強ければ邪気が集まりやすい。つまり密度も高くなり、より強力な術を使えるようになる。また、邪気の回復も早い。妖刀や妖怪の強さの指標にもなり得る。常人でも邪気を感じ取れることがあるが、それは強い妖力を持ったなにかが、そこにあったからなのかもしれない。

【わ】
・ワヒャーきょう
 ヒューゴの信教。メラン諸島では広く信仰されているらしい。二つのⅤ字を重ねた意匠のペンダントが確認されている。

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