その他

 何色にも染まらずにたくましく生きる者たち、過去の偉人たちの詳細をここに記す。

<泉/菊之介/ノブナガ/助六/弥生/緒田信長/武田陰玄/長尾影虎/源智仲良>

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いずみ
 ~亡き夫への朽ちぬ愛、我が子に注ぐ~

 年齢:享年41歳
 身長:163cm
 特徴:中央分け直毛
 性格:一途、おおらか

‐概要
 強く優しい理想的な夫――晴明の死。幸せの絶頂にあった泉にとって、それはあまりにも残酷な報せだった。しかし深い悲しみに暮れる中でも、泉は一人の母として懸命に生きた。夫の面影を残す一人息子――幸成のために。やがて影狼を里子として迎え、幸成は心優しき兄へと成長していった。だが幸せな日々が戻るにつれて、泉はまた、決して叶うことのない願いに身を焦がすことになる。晴明に会いたい――と。

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菊之介きくのすけ
 ~邪気に侵されようとも優しくありたいと願った青年――魂は大切な者の心と共に~

 年齢:享年16歳
 身長:168cm
 特徴:短め直毛、やや細身
 性格:好奇心旺盛、優しい
 趣味:読書、自然観察

‐概要
 書物や草花が好きな心優しき少年に侵蝕の症状が現れたのは、ちょうど思春期真っ盛りの頃。不安定な心と一時の衝動で、親に手を上げてしまったのだ。牢を経て鴉天狗に預けられてからは、人を避けるようになった。そこへふらりと寄って来たのが、影狼だった。侵蝕人だからと避けることもなく無邪気に慕う影狼は、菊之助に人から必要とされているという充足感を与えた。そして侵蝕が死の病と聞いた時、菊之助の心は決まった。残り少ない人生を、自分らしく生きようと。

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【ノブナガ】
 ~人に寄り添い心癒す奇跡の美猫――侵蝕に打ち克ち天国へ~

 年齢:享年不明
 身長:47cm
 特徴:銀色の縞模様の毛並み、蒼い目
 性格:繊細、気分屋
 趣味:菊之介との散歩

‐概要
 鴉天狗の果たすべき役割は、侵蝕人が人らしく生きていけるようにすること。邪気を感じ取ることができるノブナガは、野良猫の身でありながら、それを立派にこなしていた。人間性と獣性の狭間で揺れ動く侵蝕人に寄り添い、愛嬌ある仕草でその心を癒したのであった。そして自身も、妖派の手で侵蝕獣にされながらも見事正道に立ち戻り、影狼に寄り添われながら生涯を終えた。侵蝕に打ち克った奇跡の物語は、今も鴉天狗の者たちの心に刻まれている。

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助六すけろく
 ~絆は野越え山越えどこまでも――猟友の帰郷を待つ快男児!~

 年齢:18歳
 身長:171cm
 特徴:顔が大きい
 性格:正直者、スケベ
 趣味:狩猟

‐概要
 武蔵坊が妖怪だったという、思いがけなくも知ってしまった事実。受け入れるまでには多くの時間が必要だった。だが彼とどう向き合うべきなのか、答えは最初から出ていた。共に競い合い、助け合い、時には喧嘩した十数年来の思い出が、武蔵坊が唯一無二の親友であることを証している。それ以上に大切なことが他にあるだろうか――いや、ない! 旅立つ武蔵坊を見送り、助六は前に進む。また武蔵坊と共に狩りする日を夢見て――

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弥生やよい
 ~妖怪と結ばれし数奇な人生~

 年齢:享年69歳
 身長:169cm
 特徴:年の割に若い
 性格:気丈夫、穏やか

‐概要
 人間の弥生が、妖怪犍陀多とどこで出会い、どのようにして結ばれたのか――その真実が彼女の口から語られることはなかった。分かっているのは、弥生自身も超人的な体力を持っていたということだ。五十を超える高齢で出産し、村人の助けがあったとはいえ、妖怪との間にできたその子を女手一つで育てた。狼の棲む危険な山奥で迷子になった武蔵坊を、たった一人で見つけ出したのも、よくよく考えれば常軌を逸している。

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織田おだ信長のぶなが
 ~天下統一を目前にして墜ちた、戦国時代一の巨星~

‐概要
 終わりの見えない戦国の世に彗星の如く現れた信長。画期的な戦術と政策で並み居る強豪を次々に打ち倒し、一躍天下人となる。だがその最期もまた儚く、日ノ本統一を目前にして部下の裏切りに遭い、炎の中で自刃した。波乱に満ちた彼の生き様と言葉は、後世の人々に大きな影響を与え続けている。

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武田たけだ陰玄いんげん
 ~動かざること亀の如し! 泰然と構える戦国最強の兵法者!~

‐概要
 甲斐の亀の異名を持つ戦国武将。鉄壁の守りに定評のある陰玄だが、勝機と見れば戦国最強を誇った騎馬隊が疾風の如く敵陣を突き崩した。長尾影虎との名勝負は講談の代表的な題材として広く親しまれている。勝つべくして勝つを至上とするその兵法は、信濃大名松平兼定にも受け継がれている。

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長尾ながお影虎かげとら
 ~その名は伝説! 生涯無敗を誇った越後の軍神!~

‐概要
 越後の虎の異名を持つ戦国武将。自身を須弥仙岳に住むとされる天帝の生まれ変わりと信じ、戦では神懸かりな勝負勘と電光石火の攻めで無敵の強さを誇った。鉄壁の守りを持つ陰玄ですら、影虎との野戦は徹底的に避けていた。その武威にあやからんと、武家の跡取りが影虎と名付けられることも多い。

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源智みなともの仲良なかよし
 ~苛烈な采配で天下を掴みかけた源平合戦の名将!~

‐概要
 時は平安。朝廷で専横を極める平氏を討伐せよとの令旨が下され、日ノ本各地の武士が挙兵した。そんな中で、いち早く平氏を打ち倒して京入りを果たしたのが仲良である。火牛の計で大軍を打ち破った伽羅倶利峠の合戦でよく知られる。しかし京での横暴な振る舞いが仇となり、皇帝の命を受けた追討軍に討たれることとなった。

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唱十句大師しょうとくだいし
 ~十の口で仏の道を説いた伝説の僧侶~

‐概要
 日ノ本における仏教の礎を築いた僧侶。一度に十の言葉を話せたと言われている。あまりにも現実離れした逸話を多く持つため、歴史学者の中には実在を疑問視する者もいる。

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