妖怪

 妖怪未だ滅びず。妖峰に、深淵に、人の心に潜みて復活の時を待つ――

<酒吞童子/覇蛇/沙羅幻樹/大蜈蜙/疾漆/吠え猿/※犍陀多→殲鬼隊/※南蛇井菩慶→舶来品店米蘭>

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酒吞童子しゅてんどうじ
 ~無尽蔵の妖力秘めたる不死の肉体! 酒に生き酒に滅びた鬼の頭目!~

 宝永三大妖怪の一怪。その名は宝永大噴火以前から語り継がれ、一説には盗賊のなれの果てとも言われている。酒好き、女好きと、人間らしさが垣間見えるのもそのせいだろうか。大きな傷もものの数秒で回復してしまうほどの凄まじい生命力と、酒を飲み傷を負う毎に強くなるという厄介な能力を持つ。人攫いをやめるようにとの交渉に応じるあたり、意外と話の分かる奴だったのかもしれない。しかし最期は酒を届けに来た殲鬼隊に騙し討ちにされ、「鬼に横道無きものを」と言い残して果てた。

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覇蛇はじゃ
 ~鋼の尾の一撃は凄絶無比なり! 妖峰宝永に棲む破壊神!~

 宝永三大妖怪の一怪。宝永山の洞窟を巣穴としていた巨大な蛇。鋼鉄のように硬く、鞭のようにしなやかな尾を持つ。この尾には先端に向かうほどに力が増幅される特性もあり、覇蛇が地を這うだけでも一帯には壊滅的な被害が出る。宝永山の中腹にある窪みも、怒った覇蛇が尾を叩きつけたことにより形成されたと噂される。その強さはもはや天災。

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沙羅幻樹さらげんじゅ
 ~地上を夢幻で覆い尽くす魔界の巨樹~

 凩村とその周辺を魔境へと変えてしまった恐ろしい妖木。非常に強い繁殖力を持ち、挿し木でも一年ほどで人の背丈を超えるだけの大きさに成長する。花には紅茶のような芳香があり、近付く者に強力な幻覚作用を及ぼす。挿し木でない本体には果実が実り、種を食した者は体中に根が張られて樹の傀儡となる。

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大蜈蜙おおむかで
 ~大滝村を襲った巨大ムカデ~

 大滝村に突如として現れた大きな百足型の妖怪。肉食性で、動けなくなった獲物を、大きな顎で生きたまま頭から貪り食う。巨体の割に動きが素早く、体が千切れた程度では死なない生命力を持つ。熱にめっぽう弱く、火をかざせば実は子供でも簡単に撃退できてしまう。

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疾漆しっしつ
 ~闇の森を疾る獰猛なる牙狼!~

 宝永山麓の樹海に棲んでいる妖怪。漆黒の毛で覆われた細い体と大きな牙を持つ、狼のような姿をしている。素早い動きで殲鬼隊を手こずらせたが、最期は追い込み作戦で息が上がったところを仕留められた。同種は他にもいるようで、伊織の脚部の人為侵蝕にも利用されている。

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ざる
 ~夜の樹海に響く頓狂なる鳴き声~

 宝永山麓の樹海に棲む妖猿。数里先まで響き渡る大きな鳴き声が特徴。癖の強い鳴き声はしばしば殲鬼隊員や妖派の間で笑い草となった。鳴き袋が奇兵の陸空に移植されている。

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