妖峰戦記-宝永の乱-【第四章】

幕府軍の追撃をかわし、遂に越後入国を果たした鴉天狗。信濃の合戦から帰還した影狼は、その報せを聞いてじっとしていられるはずがなかった。

自由を求めた闘いが幕を開ける――

歴史ロマンと異能バトルの和風ダークファンタジー第四章！

　海猫を出した瞬間、柳斎たちの目の色が変わったような気がした。「そう言やそうだな」と栄作。「骸骨なら影狼も何体か仕留めてる。狙って種を壊したとも思えねぇし、その刀になにか秘密があるのかもな」「でもその刀、ろくに使えてないんじゃなかったの？」…

　合戦の後、妖派に留まることに強い不安を抱いていた影狼は、鴉天狗の越後入国の報せを聞いたことをきっかけに妖派からの離脱を決意する。しかしそれを知った伊織により、影狼は小部屋に閉じ込められてしまう。ところが、そこへ思いがけない協力者が現れ――…